韓国語コラム(韓国語の文字)
韓国語とハングル
韓国語は한글(ハングル)という文字を使い表記されます。
ハングルは子音と母音の組み合わせで構成され、発音記号に近いという考え方もできます。
一見すると線や点、〇や□などで構成されていて難しく見えますが、誰でもわかるように設計された人工文字であることもあり、明確なルールのもと成り立っています。
また、設計の際に人の口の形を参考にしたと言われており、文字と音を関連付けてイメージしやすいのも特徴です。
詳細はWikipediaに譲りますが、ハングルは発明された時代(1446年)と人(李氏朝鮮第4代国王の世宗)が明らかになっている世界でも珍しい文字で、韓国人はこのことを誇りに思っていると言われています。
韓国語と漢字
現代の韓国語はハングルを用いて表記しますが、数十年前までは漢字とハングルを併用し日本語の表記に似た方法を用いていました。
そのため一見するとよく解らない言葉でも元の漢字を知ると意味や由来がはっきりすることがしばしばあります。
たまに韓国語起源の語や中国語由来の語もありますが、多くの語の裏には日本語が隠れています。
これは大日本帝国の領地拡大と現地での日本語教育政策の影響の他、そもそも近代以降の語の多くが日本で翻訳、造語されたという歴史的経緯によるものです。
中国や台湾などで現在使われている中国語にも日本からの逆輸入した語が多く含まれていることからも見て取ることができます。
日本人や中国人など漢字圏出身の人は、このハングルの裏に隠れている漢字からアプローチすることで効率的に韓国語を学習できます。
その他の韓国語の漢字についてはWikipediaを参照。
分かち書き
韓国語では漢字を使用しなくなりハングルのみを用いるようになった結果、単語の切れ目がどこにあるのかがわからなくなりました。
そのため文章を書く際は単語と単語の間にスペースを空ける、分かち書きが必須となっています。
ただこの分かち書きのルールは個々人によって書きやすい書きにくいがあり、たまに改定されたりもしますので、あまり統一されていません。
語学学校で習う書き方がおよそ正しい書き方と考えてよいと思いますが、結局のところは文字なので見て通じれば問題はないのかも知れません。
パッチム
韓国語の特徴としてパッチムと呼ばれる各音の末尾につく子音があります。
ハングルはパッチムをうまく表現しており、音で聞いても分からない場合でも、文字で見ればパッチムは明らかになります。
韓国語ではパッチムの有無によってその後に続く語の発音が変化する場合があります。
例えば前の音にパッチムがあり次の音に子音がない場合、連音化します。
韓国語の連音化はフランス語などのリエゾンとは異なっているという話もありますが、専門的なことを考えなければ大まかには同じようなものと考えて問題ないと思います。
例えば以下のような文があった場合、오늘のㄹがパッチムで次の音の이と連音化し리と発音されます。
오늘이에요(今日です)…発音は오느리에요
パッチムとそれに続く音には不規則変化するものもあり、韓国語の発音に多様性をもたらしています。
またパッチムは1つの語と、2つの語があり、2つの語の場合はその組み合わせや優先的に発音される音が決まっています。
例えば以下のような文があった場合、発音は後続の어と連音化します。
읽어요(読みます)…発音は일거요(ㄹとㄱ2つのパッチムの場合、必ずㄱの優先して発音されます)
次の例では、パッチムㄴの後続音は子音ㅊがありますので連音化せず、ㄶのパッチムは後続の아と連音化します。
괜찮아요(大丈夫です)…発音は괜차나요(ㅎは発音されません)
パッチムは最初は変化が複雑で難解に見えますが、すぐに慣れるので心配は不要です。
パッチム一覧表など複雑な表を暗記する必要はありませんので、参考にしながら使って覚えましょう。