中国語コラム(台湾華語の母音と介母音)

27/01/2021

台湾華語の母音

台湾華語を注音記号で考える場合、母音と子音は合わせて37音、母音のみでは全部で16音あります。
考え方が異なるので、普通話のピンインの数とは一致しません。

注音を使って発音を表記する利点は、アルファベット表記に引っ張られることなく、一文字で一つの音を表すことにあり、特に母音表記でその利点を発揮します。
例外的な発音を減らし、発音の体系(中国語としてありうる音関係)を明確化します。
どの文字がどういう音かという対応関係を覚えれば、全ての文字はその組み合わせ(子音+介母音+母音)で表現することができるようになります。

母音の分類

単母音(一つの音節の中に母音を1つだけ含むもの)

注音ピンイン音の出し方
a日本語の「あ」よりも大きく口を開けて発音する。「あ~ん」の「あ」。
o唇を丸めて「おー」と発音。
e日本語の「え」の口の状態で「お」を発音する。「うぁ」に聞こえるが「う」と言わないように。
ê (e)
※ ピンインでは「ㄜ、ㄝ」を表記上区別していない(音では区別している)
日本語の「え」と似た音。
単母音

複母音(一つの音節の中に母音を2つ以上含むもの)

注音ピンイン音の出し方
aiピンイン表記の手前の母音を強く発音する。
eiピンイン表記の手前の母音を強く発音する。
aoピンイン表記の手前の母音を強く発音する。
ouピンイン表記の手前の母音を強く発音する。
複母音

鼻母音(-nか-ngで終わる母音)

注音ピンイン音の出し方
an前鼻音。「案内」の「ん」のと似た音。
en前鼻音。
ang奥鼻音。「案外」の「ん」と似た音。
eng奥鼻音。
鼻母音

※日本語が「ん」で終わる音は中国語では「-n」で終わります。
※日本語が「う、い」で終わる音は中国語では「-ng」で終わります。

そり舌母音(舌をそり上げて発音する母音)

注音ピンイン音の出し方
er「JR」の「R」をしっかり巻き舌で発音する。
そり舌母音

※ㄦは簡体字表記で、繁体字表記の場合「兒」で表されます。

台湾華語の介母音

台湾華語の介母音は3種類です。
介母音とは子音と母音の間に入り音の仲介をする母音のことです。
「子音+介母音+母音」のように子音と母音に挟まれて現れ、音の仲立ちをします。
音節の頭や単独で使われる場合、ピンインではyやwを付けて表されます。

注音ピンイン音の出し方
i (yi)「い」よりも唇を左右にひいて発音する。
u (wu)口笛を吹くときのように唇を突き出した形で発音する。
ü (yü)「う」の口で「い」と発音する。日本語の「ゆぃ」と似た音。
介母音

※他に、これらを組み合わせた複合母音があります。

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