韓国語コラム(延世大学校の各レッスンと試験)
私が延世大学校で韓国語を学んでいたの数年前の話ですので、覚えていることを共有したいと思いますが記憶があいまいなところ、仕組みが変わっているところなど多くの相違点があるかと思います。
また延世大学校に入る前に既にハングルの読み書きはできたため、2級クラスからスタートしました。
そこらを踏まえたうえで参考としてどうぞ。
クラス
大半の学生は午前中のクラスをとりますが、午後のクラスもあったかと思います。
1クラス8人~12人くらいだったでしょうか、教室が結構広いので広々と感じます。
コの字型に座り授業を受けますが、座席は指定ではなかったと思います。
何となく固定した席に座り勝ちですし、日本人同士や中国人同士は固まる傾向があるので定期的に席替えをする先生もいた気がしますね。
後述しますが授業以外にもクラスメートとは何かと交流する機会が多いのでいろいろな人と話す機会があることはいいことです。
初級ではクラスは1組から基本的に成績順で振り分けられるという都市伝説があります。
ある程度話せるようになるまでは成績順で分けないと話せる人のみが話すようになってしまうので、恐らく事実なのかと思います(都市伝説)。
そのため1組や2組など上位のクラスには会社から派遣されている若手駐在員や奨学金での大学進学を目指す留学生などが犇めいています。
下のクラスに割り振られていると苦笑するしかないですね。
授業
インテンシブコースに入っていたのかと思いますが授業は毎日4時間で、宿題も出ます。
単語テストも毎日でしょうか、あったと思います。
先生の手法もメソッド化されていますので、どの先生が担当になっても授業の進行は似た感じになります。
4時間のうちの前半は文法の授業で、その後読解の授業を間に挟み会話の授業という流れだったかと思います。
担任制なのだと思いますが文法の授業を教える先生がメインの先生になりますが1人の先生が4時間ずっと教えるわけではなく、読解の授業は別の先生が教えるようになっています。
また学期の半ばで先生の交代がありますので、1学期の間に4人の先生と関わる機会があります。
いろいろな先生の韓国語を聞く機会を設けるため、また飽きないための工夫でしょう。
3級以降の中級レベルになると確か読解の授業が選択制になり、読解の他に作文の授業、会話の授業があったかと思います。
選択授業は教室を移動し他のクラスの学生と一緒に受けるので、こうした交流の機会も多く用意されています。
文法授業
文法授業は先生による説明があり、その後は隣の人とペアを組んで教科書のダイアログを読み合ったり、課題に取り組んだりします。
先生はシチュエーションを設定しこういう場合にこの文法を使うと説明してくれますが、初級のクラスはともかくとして中級も進んでくると微妙なニュアンスの違いになりなかなか理解が難しくなってきます。
日本語を説明することを想像すれば先生の苦労も容易に理解できますね。
日本以外の国から来た学生は果たして理解できるのか疑問に思ったものです…。
読解授業
読解の授業は別の教科書があり、長文読解だったと思います。
ハングルの音読は中々難しく慣れが必要で、下手をすると一文字ずつ読むことになります。
黙読と音読は全く別物なので、家で声を出して読む練習をした方がスムーズに授業に参加できます。
作文授業
作文授業は先生によると思いますが、前回の作文を返された後、良い文章があれば発表することもありました。
課題を与えられ、その他の時間は黙々と作文を書いていたと思います。
終わらなければ宿題だったような気がしますが、基本的に授業中に書き終わっていたような…。
句点や読点、原稿用紙の使い方もチェックされたような気がしますがはっきり覚えていませんね…。
作文のポイントは日本語で考えた文章を韓国語で書くのではなく、韓国語で考え韓国語で書くことです。
日本語で考えると高度で抽象的な内容になりがちで、そうした概念を韓国語で書くことは中々難しいでしょう。
言葉も硬くなりますので所謂漢字語が多くなりますが、これがまた曲者で意味は通じるものの自然な韓国語表現でなくなります。
韓国語で考え韓国語で書くと、今現在自分で表現できる範囲を知ることも出来ますし、その範囲内で文章を作り上げるようになるのでよい訓練になると思います。
ただし同じような表現しか使わなくなるのは問題ですので、部分部分に新しい表現を取り入れ、先生からのフィードバックを受け取りましょう。
会話授業
会話授業はその日の前半に倣った文法を使って会話をすることが基本です。
あまり明確な説明はありませんので、授業の流れを理解していないと文法の授業の延長になってしまいます。
1時間目 | 文法授業 |
2時間目 | 文法授業 |
3時間目 | 読解授業/選択授業(読解、作文、会話) |
4時間目 | 会話授業 |
当然ですが先生は全員が均等に会話に参加できるよう機会を作ります。
方法としては端から当てる先生もいれば、ランダムに当てる先生もいます。
グループ課題
私の記憶によれば毎学期途中でクラスメート2、3人と一緒に取り組むグループ課題があります。
教科書のダイアログを基にした、ちょっとした寸劇や発表などですが、この準備が大変です。
放課後にカフェなどに集まり課題を一緒に考え準備するのですが、特に初級の場合はお互いまともに韓国語で会話ができないまま、打ち合わせを進めて台本などを準備をする必要があります。
運が良ければ(悪ければ)日本人同士の場合もありますし、英語でやり取りできる場合もあります。
実際問題として母国語でも相談しながら何か一つの物を作ることは難しいので、よくある手段としては1人が叩き台を用意し、他の人はそれを修正しながら進める方法です。
台本ができたらそれを暗記し、発表します。
この暗記は語学学習においてかなり有用で、自然と韓国語のセリフが口から出て来るようになります。
課題は大変でも後々この課題に感謝した人は結構いるのではないでしょうか。
打ち合わせに来なかったり、台本を覚えて来なかったり、学校に来なかったり、運が悪いと適当なクラスメートと一緒に課題に取り組む必要があります。
成績に響きます…。
イベント大会
毎学期語学堂主催のイベントがあります。
このイベントは語学堂の成果発表の機会として力を入れたもので、賞金や賞品があります。
各級毎に分かれて開催されますが、同じ級の全クラスが参加します。
学期によって人数はマチマチですが、多い場合は15クラス以上になることもあります。
イベントについては別にまとめたいと思います。
中間試験・期末試験
中間試験があったか若干記憶が微妙です。
試験は準備も実施も大変で、聞き取り試験、読解試験、筆記試験が各1時間、その他5分ほどの口頭試験があり、2日だったか3日だったか時間をかけて実施していました。
当然その学期に習った範囲が試験範囲になるわけですが、中でも口頭試験は難しく、過去問がインターネットなどに出回っています。
突然質問されても答えられないので、過去問を参考に予め想定問答集を作ることが一般的です。
また試験が終わり次第友達を捕まえてはどういう質問だったのか問いただし、生徒間でヒソヒソと噂が駆け巡ります。
加点ポイントはその学期に倣った単語や文法を幾つ使っているか、文章は何センテンスか、などです。
あまり知られていませんが、加点ポイントは秘密ではないので先生に聞くと普通に教えてくれます。
具体的な口頭試験ですが試験官は担任の先生だったと思います。
レベルによりますが雑談でアイスブレイクをした後、質問を投げかけてきます。
基本相槌などはなく1人で数センテンスの文章を論理立てて話し続けることになりますので、これが難しい…。
今から振り返って思う口頭試験の対策は、やはり韓国語で考え韓国語で話す癖を付けておくことでしょうか。
作文と同じですが、日本語で考えてしまうと内容が抽象的で難しくなり韓国語で表現することはできないかと思います。
こうした点が子供が言語を学習するのとは根本的に違うところですね。
こうやって考えると中国語の試験は1時間で全ての終わるのでずいぶん違いますね…。
成績
中間試験と期末試験後に成績表が配布されます。
会社から派遣されている人や奨学生にとっては重要なイベントですね。
それ以外の人にとっても学力が数値化されるのはやはり面白いのではないでしょうか?
確か学期の1番最初の授業で成績の配分が説明されたかと思います。
出席率が何点、授業中の態度が何点、課題やイベントが何点、試験結果が何点などなど。
あまり覚えていませんが、韓国語の学習を進めるにあたっては8割前後の成績があれば問題ないのではないでしょうか。