中国語コラム(台湾の語学学校に通う)
前回挙げた各種勉強法の中でも思いきりが一番必要であるであろう、「台湾の語学学校に通う」、つまり留学について今回は見ていきましょう。
台湾留学でのポイントはいくつかあります。
それぞれ見ていきましょう。
エージェントって何だっけ?
まずエージェントについてですが、エージェントというのは代行業者のことですね。
宿の手配から賃貸契約、学校の入学手続き、ビザの手続き、航空券の手配や送迎まで、お金を出せば留学に関する手伝いを基本的に何でも代行してくれます。
ビザの手続きなど本人が出頭する必要がある場合は当然本人が行くことになりますが、手とり足取り教えてもらえる、つまり心配事をお金で解決できるサービスのことです。
台湾に友達が一人もいない、英語も話せない、一人ですべての手続きができる気がしない…という場合は素直にエージェントに助けを求めるのも良いと思います。
とはいえ、値段はピンキリ、人を使って何かをさせるということを考えれば安くはないでしょう。
留学生がアルバイト感覚でやっているものから、専門業者まで、中には悪いエージェントもいるかもしれませんから選定は慎重に。
家はどうする?
家のタイプは家賃次第でピンキリですが、語学留学生ということもあり学校の近くに安めの一人暮らしを…という人が多いと思いますね。
とはいえ多くの学校は結構都心部にあるので、例えば台北で日本のワンルームに相当する物件を賃貸しようとすると、家賃は13000〜15000元あたりが相場ではないでしょうか。
風呂トイレが共同の部屋だけの賃貸の場合、10000元以下でもそれなりに見つけられます。
家賃が安い、水回りの掃除をしなくても済む等の理由から、あえてこうした部屋だけの物件を借りる人も大勢います。
その他、風呂トイレ、リビングなども共同利用のシェアハウス形式の場合も10000元以下でもそれなりに見つけられるかと思います。
他の住人とどの程度コミュニケーションをとる必要があるかは物件次第で、男女混合、コミュニケーションは基本英語または中国語、というのが一般的です。
多少英語が話せれば英語の練習にもなるかも…とも思いますが、コミュニケーション力がないとだんだん辛くなってきます。
シェアハウスに住んだ経験がない人にはおすすめしません。
台湾の家の注意点ですが、冷房がないと夏に死にますので電気代がどういう計算になっているのか確認しましょう(電気や水は家賃に含まれている場合もあります)。
冬場暖房がないのでかなり冷える場合があります、暖房器具や毛布等借りられるのか確認しましょう。
また冬場は湿度が高いので換気が悪いとカビが大量発生する場合が多いです、換気を気にしましょう。
聞いた話ではナウシカの腐海が広がっていた…とかなんとか。
飲食店の上の物件等はみんな大好き黒い虫がカサカサ、大量発生するので避けましょう。
台湾の建物の窓には普通鉄格子が付いています。
台湾と聞けば治安がいいと言われますので、あまりそういうイメージはないかもしれませんが、泥棒が多い(多かった)らしいので窓に鉄格子が付いていない家は避けましょう。
当然都心から離れれば家賃は下がる傾向があります。
台北から新北へ、あるいは台中や台南等へ行けば「なんで台北で消耗してるの?」と思うらしいです。
交通が便利、住環境が良い、それぞれメリットデメリットありますので、優先順位を決めて住む地域や家を探しましょう。
友達の紹介ではなく自分で物件を探す場合の情報源としては、語学学校の掲示板や591というWebサイトを利用するとよいでしょう。
語学学校はどうする?
語学学校と聞くと日本の英会話学校のような企業がやっている学校を想定しがちですが、国によっては大学が語学留学生向けの施設を持っていて、そこに通う…という語学留学も割と一般的に行われています。
企業がやっている語学学校もありますが、長期で通う場合は大学内の語学学校へ通う人が多い印象です。
一般的に大学の語学学校の方が値段も安く、施設も充実していて情報も多く収集できます。
一方、企業がやっている語学学校の場合、
- 日本語で対応してもらえる
- スケジュールを合わせてもらえる
よいったように学生の要望に厚く対応してもらえるようで、働きながら中国語を勉強する等語学留学以外の目的で滞在している人が通っている場合が多いかと思います。
または、大学の語学学校の授業のみでは不足している、大学の語学学校の授業についていけない等々それぞれの理由から企業の語学学校へ行く人もいます。
ただし、特に理由がなければ大学の語学学校に行くことをお勧めします。
企業がやっている語学学校の場合、語学留学生としての滞在許可の延長ができない場合があります。
注意しましょう。
語学学校を選ぶ際の注意点
さて、
具体的に「どこの学校を選ぶか」ですが、実はどの学校が良い・悪いというのは、あまりありません。
というのも先生やクラスメイトとの相性の問題が一番大きいので、 どこの学校に行っても満足する場合もあれば不満を覚える場合もあります。
ですが「学生の数が多いと発言の機会が減るのでは」「日本人が多いと日本語で話してしまうのでは」なんて言う人もいますね。
学生の数は多いと発言の機会が減るか?
まず、学生の数についてですが、学生が多くても発言する人は発言します。
先生に当てられないと発言しない人は、そもそもどういうクラス構成になってもなかなか発言しませんし、話せるようにはなりません。
ので、結局は学生数はあまり関係がない…と言ってしまってもよいかと思います。
もちろん10人クラスの授業と30人クラスの授業で悩んでいる…などという極端な場合はかなり関係があるでしょうが…。
まともな語学学校であれば多くても1クラス当たりの最大の学生数は12人程度でしょう。
これが8人になろうが10人になろうがあまり変わらない、むしろ人数が少ないとクラスの雰囲気で当たり外れの程度が大きくなるとも言えます。
ただし、諸説ありますが4~6人程度の場合は顔の見える範囲での密なコミュニケーションを取ることが出来るので、クラスの雰囲気も良くなり、学習の助けになる場合も多いです。
つまり、
4人~6人程度
7人~12人程度
13人~
といった感じで環境の変化を感じるかと思います。
日本人が多くても大丈夫か?
日本人が多いか少ないか…もよく話題になりますが、これも実はあまり関係がありません。
語学学校の授業では当然中国語のみですし日本語を使う機会はありません。
ペア作業の際に発音が日本人訛りになったり、話題が偏る問題はありますが、特に初級クラスの場合、大概は先生が組み合わせや席順を配慮してくれます。
それ以前に日本人訛りだろうが何だろうが話せるレベルまで持っていくことが大事です(訛りについてはまた後日書くと思います)。
休み時間や放課後日本語で話してしまう…程度は息抜きと考えて問題ありません。
もちろん中国語で話すほうが学習としては良いでしょうが、ずっと中国語のみで生活するというのは留学当初は不可能です。
授業や勉強の上でわからないことを確認したり、生活の情報交換したり、ストレスを発散する上で日本語が通じるクラスメートの有無は重要です。
放課後や休みの日に日本人同士で遊びに行くのも全く問題ないと思います。
一人だとなかなか怖気づいてしまうようなことでも、友達となら笑い話になりますので、楽しみながら台湾文化に触れ、中国語を勉強できるでしょう。
お互い語学を勉強しに留学までしている人同士ですので、そのままずるずると日本語でべったり…となる可能性は低いです。
ただし、日本人同士で群れ始めたらあまり良くない兆候だと思いますので注意しましょう。
そうならないようにするためには、積極的に日本人以外の国の人に声をかけるのが有効です。
「日本人じゃないと細かいことが伝わらず気を遣う…」なんて思わず、それがそもそも語学を通した国際交流だということを忘れずに。
日本人だから、日本人じゃないからと、壁を作っているのは多くの場合、自分自身です。
また日本人が少ない学校をあえて選んでも結局会話は英語になるので中国語を学ぶという観点からは同じです。
英語を話せないけど日本人少ない環境に行くのはどうか…という意見もあるかと思いますが、最初は気を使って中国語で頑張って話しかけてもらえるとは思います。
が、常識的に考えて英語が通じないのですから、その範囲内でのコミュニケーションになるかと。
初級では辛いですね。