中国語コラム(どの中国語を学ぶのか)

中国語の種類

未だに多くの日本人がよく理解しておらず、中国語の勉強を始めよう!と決意して最初に出会う難問。
それは、

  • 北京語
  • 広東語
  • 上海語
  • 台湾語

等々いろいろな中国語が出てきて、自分が勉強したい中国語がどれだかわからない…ということかと思います。
中国語の使用人口は極端に多く使われる地方も広範囲にわたっているため、 ひと口に中国語と言ってもどの中国語を勉強するのか、をまず最初に決めなければなりません。

英語で例える

もうそれを調べるだけで中国語の勉強は大変だと思ってしまいがちですが、でもよくよく考えると英語だって同様で、

  • アメリカ英語
  • イギリス英語
  • オーストラリア英語
  • シンガポール英語
  • インド英語

等々いろいろあるので、それと似たようなもの…と言ってしまってもよいのかもしれません。
「アメリカ英語とイギリス英語はなんとなく似ていて、オーストラリア英語は結構違う、シンガポール英語やインド英語はほぼ別の言葉では?」といった印象があるかもしれません。
でも英語という共通基盤としてとらえることもできますよね。

中国語も同様に、似た部分もあれば違う部分もあるけれど大まかに中国語(漢語)という範疇、といった感じでとらえられるのかと思います。
日本語で考える方言よりは違いが大きく、中国人同士が中国語で話しても(発音が違うため)通じないことは多々あると言われています。。。

いろいろ観察していると華人(中国人、台湾人、香港人等)同士の中国語が通じないことには慣れているようで、臆する感じは全くなく、周りの人が説明に加わったりとわいわい解決しているようです。
一方で英語で話すとなると日本人同様「通じなかったらどうしよう…」と臆する気持ちがあるらしく、面白いところです。

中国語の標準語「普通話(マンダリン)」、そして「台湾華語」

そんな多様で面白い中国語ですが、全域で通じる便利な普通話(北京語を元とした共通語)というものがあり、外国人はこの普通話から勉強するのが王道です。
ちなみにマンダリンという言葉を聞いたことがあるかもしれませんが、マンダリンは普通話のことです。
何故マンダリンと呼ばれるのか調べてみると興味の幅が広がってよいかもしれませんね。
ちなみにその二ですが、北京語=普通話と勘違いしている人が結構いますが、別の言葉です。

ここまでの話で多くの人は「じゃぁ私が学ぶべき中国語は普通話でいいんだ」となりそうですが、もう少し複雑なものが残っています。
それは、台湾華語と呼ばれている台湾の普通話( 中国大陸の普通話を元に作られた台湾の普通話 )です。

ややこしいのですが、台湾では更に台湾語という言葉もあり、台湾華語と台湾語は共に中国語の一種という意味では同じですが、異なった言語です(台湾華語が話せるけど台湾語は話せない、または台湾語は上手いけど台湾華語は下手という台湾人も普通にいます)。

台湾華語は元々は大陸の普通話ですので、台湾華語と大陸の普通話で会話をすることは基本的には可能です。

つまり外国人が多くの地域で通じる中国語を学ぼうと考えた場合、大陸の普通話の他に、台湾華語も選択肢の中にある、ということになります。

普通話と台湾華語の違い

では、普通話を学ぶことと台湾華語を学ぶこと、一体何が違うのでしょうか。
大きく以下の4つの違いがあるかと思います。

  • 発音が違う
  • 単語が違う
  • 文字が違う
  • 発音記号が違う

発音が違う

大陸の普通話は地域に依りますが巻き舌を駆使して強く発音するのに対し、台湾華語はあまり巻き舌を使いません。
中国人曰く、台湾華語はかわいらしく聞こえるそうです。

単語が違う

  • 使われる単語が異なる
  • 同じ単語でも意味が異なる
  • 同じ単語でも発音が異なる

など、単語の使われ方に若干の違いがあります。
特に新しい言葉や若者言葉には大きな違いがあります。

文字が違う

一番目に付くのは文字の違いでしょう。
大陸(普通話に限らず)では元々の漢字を崩した簡体字が主に使われていますが、一部の地域(香港や台湾など)の中国語では元々の漢字である繁体字が使われています。

簡体字を知っていればサクサクっと文字をかけるので、日本語よりも文章を書くのが効率的になるかもしれませんね。
一方で、繁体字は日本の漢字の旧字体と似ており、旧字体が読める人にとっては馴染み深いかもしれません。
繁体字は書くのに何かと労力がかかるので、繁体字の略字( 簡体字とは異なる)もあるようです。

台湾人でも簡体字を読み書きできる人は大勢います(中国人は地域に依りますが、繁体字の読み書きは難しいようです)。
日本人から見れば、どちらの漢字もルールを覚えれば習得は容易かと思います。

発音記号が違う

文字が違うことに比べて発音記号が違うと聞くと大した違いに感じないかもしれませんが、中国語は発音がとても重要な言語なので発音記号の違いはとても大きな意味を持っています。
普通話では拼音記号(ピンイン)と呼ばれるアルファベット記号を基にした発音記号が使われるのに対し、台湾華語では注音記号(ボポモフォ)と呼ばれる平仮名のような文字が使われます。
一般的には中国語学習者にとっては、拼音記号の方が覚えやすく、注音記号の方が発音が上手くなると言われています。
最近は台湾華語でも拼音記号を使って教えることが多くなりましたが、普通の台湾人は拼音記号を理解できません。

結局どの中国語を学べばいいの?

結局のところは自分の必要と興味に合わせて選択をするのがよいのではないでしょうか?
上海に住むのであれば普通話(簡体字)から上海語へ、
香港に住むのであれば台湾華語(繁体字)または最初から広東語(繁体字)へ、
台湾に住むのであれば台湾華語(繁体字)から台湾語へ、
その他マカオやマレーシア、シンガポール等々中国語圏は様々ですので、自分の興味がある地域と関連した中国語を選択すればよいかと思います。

以前このサイトで扱う中国語を説明した際にも同じようなことを書いていますので参考にどうぞ。

中国語コラム(このサイトで扱う中国語とは)

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Posted by langlog