中国語コラム(各當代中文課程のレベル)
語学のレベル設計の共通化
台湾での中国語の学習に一般的に使われる教科書「當代中文課程」のレベルはヨーロッパで一般的に使われている語学のレベル区分をもとに設計されています。
ドイツ語学校などに行ったことのある人ならご存知、A1~C2までのアレ(CEFR またはACTFL)のことですね。
こうした統一基準の採用によって自分が今全体の中のどのレベルにいるのか確認できたり、台湾華語の語学試験TOCFLとHSK、または中国語検定のレベルの互換性を表現できたりするので助かりますね。
以下、それぞれの教科書がその該当レベルの中で、どのようなコンセプトの基で編纂されているのかを見ていきたいと思います。
當代中文課程1:
実際の日常生活の会話に重点を置いた構成になっています。
日常会話で使われる表現や、その応用を身に着けることを目指しています。
當代中文課程2:
会話以外に短文形式の読解を補足した構成になっています。
素材として短いエッセイが含まれています。
當代中文課程3:
長編会話から簡単な文語体表現、及び文章を読む訓練を含んだ構成になっています。
対話形式の他に比較的長めのエッセイが含まれています。
當代中文課程4:
長編会話と文章の二構成に加え、議論形式のテーマを取り入れた構成になっています。
比較的長めのエッセイを通して、学習者の読解能力を固めます。
當代中文課程5:
各種話題や議論が含まれるテーマに基づく構成になっています。
多様な語彙の学習の他、肯定や否定など立場による表現を学びます。
當代中文課程6:
社会、科学技術、経済政治、文化、環境などさまざまな主題を通した実話に基づく構成になっています。
多様な分野での言語知識と運用能力を身に着けます。
その他の資料
各教科書には別に、
・学生用ワークブック
・教師用マニュアル
が用意されています(5巻、6巻の学生用ワークブックは教科書に添付されています)。
更に、第1巻と第2巻には、漢字の練習本が用意されています。
まとめ
上記の構成を見ればわかるように、當代中文課程の1〜3冊目までは口頭会話の訓練に重点を置いた構成で、4〜6冊目は表現や語彙の強化を中心とした構成となっているようです。
ですので、ワーキングホリデーなど一年間の留学予定で台湾に来る学生は、3冊目が終わった時点で後は実際に会話しながら勉強する、と学校を辞める人が結構います。
教科書の説明には以下のように書かれていますので参考に。
This six-volume series is a comprehensive learning material that focuses on spoken language in the first three volumes and written language in the latter three volumes. Volume One aims to strengthen daily conversation and applications; Volume Two contains short essays as supplementary readings; Volume Three introduces beginning-level written language and discourse, in addition to extended dialogues. Volume Four uses discourse to solidify the learner’s written language and ability in reading authentic materials; Volumes Five and Six are arranged in topics such as society, technology, economics, politics, culture, and environment to help the learner expand their language utilizations in different domains.
Each volume includes a textbook, a student workbook, and a teacher’s manual. In addition, Volume One and Two include a practice book for characters.