中国語コラム(漢字の覚え方)
語学学校で多様な国から来た学生と一緒に勉強していると、日本人は漢字が得意ですので、どうやって漢字を覚えればいいのかアドバイスを求められる場合があります。
漢字を分解して部分ごとに意味を組み立てたり、部首から意味を推測したり、似た漢字の音から推測したりとテクニックとして伝えられることはいろいろあるかもしれません。
せっかく繁体字を学んでいるので、日本の旧字体との比較やそもそもの漢字の成り立ちからアプローチしてみるのも面白いでしょう。
が、個人的な結論として思うのは、日本人は小学生の時から10年以上もかけて漢字を勉強していて、それでも未知の感じに出会うこともあるのだから、そもそも漢字を初めて数カ月の人が一朝一夕で日本人に追い付くのは無理、ということかと思います。
「だから無理なのだ」と言いたいのではなく、「そういうものなのだ」から漢字とは末永くお付き合いをしていく必要がある、ということです。
一方で日本人から見ても既に知っている漢字に対して、まったく違う発音を覚えることは想像以上に骨の折れる作業です。
なまじ漢字を知っているため、漢字を見ると意味が通じてしまうことが災います。
「日本人は漢字を知っているので…」と言うのは概ね正しいですが、「発音は全く違う」ということは見落とされがちですので注意しましょう。
日本人も繁体字と末永い付き合いを通じて発音を体にしみこませていく必要があります。