當代中文課程2 L.13 日本語文法解説
1.「V + 過 guò」による行為の完了
機能:
この課で学ぶ「過」は行為動詞の後ろに置かれ、行為が終わったことを表します。
第3課で学んだ経験を表す「過」とは異なります。
構造:
「V + 過」
使い方:
行為の完了を表す「過」は「V + 過」という形で行為動詞の後ろに置かれるマーカーです。
「過」は完了を表しますが、「完」や「好」といったマーカーとは異なった機能を表します。
「V完」や「V好」は単に完了を表しますが、「V過」が暗黙的に表す意味は何かが完了し繰り返しは不要だということです。
我做完功課了。
我做好功課了。
我做過功課了。
最初の二つの文(「V完」と「V好」)は単に宿題が完了したという事実を述べています。
三番目の文(「V過」)は更に他の意味も付加し、しばしば「宿題は終わったの?、宿題をしなさい」といった呼びかけへの応答に使われ「終わった(のでもうやる必要はない)」ことを表します。
2.動詞助詞「走 zǒu」 去る、離れる
機能:
「走」が動詞助詞として機能する場合、普通は主語の行為により話し手から目的語が遠ざかる方向へ移動したことを表します。
1.「把」または「被」構造はしばしば動詞助詞「走」とともに使われます。
2.以下のような動詞が「走」と結びつきます。
例:拿、搬、推、騎、借、買、帶、約、選、送、偷、提、罵
目的語には具体的な物事だけでなく、抽象的な物事も使うことができます。
例:他離開的時候把快樂的氣氛也帶走了。
3.潜在モードの形式として「得 / 不」を挿入することができます。
3.「叫 jiào」による命令文
機能:
「叫」はここでは誰かが他の人に何かを求めたり、何かをさせたり、何かを成し遂げさせたりすることを表す他動詞です。
構造:
否定:
過去の出来事の否定には「沒」が使われ、「別」はこれから訪れる出来事に対して使われ、「不」はそのどちらにも使われます。
使い方:
1.動詞としての「叫」は異なった意味を持っています。
以下の例の意味を比較してください。
叫ぶ
(誰かを)呼ぶ
(名前で)呼ばれる
呼ばれる
2.「請」は「叫」に似ていますがより丁寧です。
通常のお願い、頼み事
丁寧な依頼
4.別再 bié zài…了 le
~をやめる
機能:
「別再…了」パターンは何かをやめるよう依頼するのに使われます。
構造:
「別」は命令のマーカーです。
「別再」は大部分の行為動詞、または状態動詞の一部に対して使われ、主語はしばしば省略されます。
5.「會 huì … 的 de」による裏付けの提示
機能:
このパターンは将来起こることについての話し手が裏付けを持っていることを示します。
「會」は行為や状態の可能性を表し、文末の「的」は声による裏付けの調子を表します。
構造:
否定:
このパターンでは「不」による否定のみが使われ「沒」は使われません。
使い方:
このパターンでの「的」話し手の出来事に対する裏付けを表します。
「的」がない場合、その文は個人的な関与を含まない、ただの事実の表明です。
以下の文を比べてください。
她會來參加我們的婚禮的。
她會來參加我們的婚禮。
6.透過 tòuguò …
~によって
機能:
前置詞「透過」は中間的な手段による円滑な経過を表し、何かが達成される方法や手段などを説明します。
構造:
「透過」は文の初めにも動詞句の前にも置かれ得る前置詞の小さなサブカテゴリーに属しています。
使い方:
「透過」の「過」は経験的な側面を示すものではなく、完了を表す動詞の補語の「過」です。
この形の他の例としては、「超過 chāoguò」や「越過 yuèguò」などがあります。
7.才 cái… 就 jiù…
~しただけで、早くも~、~するやいなや、すぐに~
機能:
このパターンは何らかの出来事のすぐ後に別の出来事が発生したことに対する話し手の驚きを表すために使われます。
構造:
二つの節の主語は同じでも異なっていてもかまいません。
使い方:
「才」と「剛」は同じ様な副詞ですが、「才…就…」は話し手の驚きや後悔、否定的な態度も含んだ表現です。
一方「剛…, 就…」は単に事実のみを表します。
言い換えると「剛」は時間的な意味のみを表し、「才」は話し手の態度を表します。
以下の例を比較してみてください。
如玉才買車, 車就被偷走了。
如玉剛買車, 車就被偷走了。
8.「每 měi + 時間表現」による頻度の表現
機能:
このパターンは特定の時間間隔で出来事が発生することを表し、英語の「I clean the pool every 3 days」のような表現です。
頻度は「每」の後ろに時間表現を続けたもので表します。
構造:
「每 + 時間表現 + VP」
主語は頻度を表す句の前、後ろどちらにでも置くことができます。
使い方:
1.日常会話では「每」は省略されることもありますが、その場合時間表現は強調して発音されます。
2.動詞分類詞がある場合、頻度を表す句は動詞の後ろまたは目的語の後ろに置かれます。
動詞の後ろの方がより好ましい位置です。
3.このパターンで「就」が使われる場合、頻度が期待よりも高いことを表します。
もし期待よりも頻度が低い場合は「才」が使われます。
9.只有 zhǐyǒu…, 才 cái…
~できれば(ようやく)~できる
機能:
このパターンでは「只有」は条件を導き、「才」の句を実行する前にその条件を満たす必要があります。
構造:
このパターンの二つの主語は同じものでも異なるものでも構いません。
使い方:
「只有…, 才…」と第12課の文法4で学んだ「只有…, 就…」はともに条件を表します。
しかし「只有…, 才…」の条件は(話し手の観点から)より難しいものになります。
一方「只有…, 就…」の条件はそれほど難しいものではありません。
以下の例を比較してください。
只有懂法文, 才能到那家公司工作。(フランス語を話す人は少ないことが前提)
只有懂法文, 就能到那家公司工作。(フランス語を話す人が多いことが前提)