當代中文課程1 L.13 日本語文法解説

06/02/2021

1.一…就…
 ~するやいなや、~してすぐに~

機能:
「一A就B」のパターンはAのあとすぐにBが行われるという出来事の順序を表現します。

構造:
二つの出来事には肯定文、否定文ともに用いることができます。
「一」と「就」は共に副詞で、主語の後ろに置かれます。
なお主語の繰り返しは省略することができます。
疑問:
「嗎」または「是不是」を使った疑問文で使うことができますが、「A-not-A」という形では使うことはできません。

2.動作や行為の完了を表す「了」

機能:
「了」は動詞の後ろに置かれ行為や出来事が完了した、または起こったことを示します。
 我要買三張車票。(私は切符を三枚買います。)
 我買了三張車票。(私は切符を三枚買いました。)

構造:
主語 + 動詞 + 「了」 + 目的語
動作や行為の完了を表す「了」は日本語ではしばしばアスペクト助詞と呼ばれます。
アスペクトとはその動作や行為が時間軸上のどの段階にあるのかを示す形式です。
例えば一つの動作を行うには、動作の開始、動作の持続、動作の完了と三つの段階(アスペクト)があるとします。
「了」はその中で動作の完了を示すアスペクト助詞、ということです。
動作の完了を表しているだけですので、必ずしも過去の出来事とは限らず「授業が終わったら…」と条件を表す場合など、しばしば未来のことにも使います。
また日本語と違い中国語は動詞が指し示す範囲が短いことにも注意が必要です。
例えば日本語で「ご飯を食べる」はご飯を食べ始める段階から、ご飯を食べ終わる段階まで幅広く内包していますが、中国語では「吃飯」はご飯を食べている段階を示し、「吃完了」でご飯を食べ終わった段階を示します。

否定:
否定文は否定を表すマーカー「沒」を用いて表現されます。
「了」は否定文では使われないことに注意してください。
「沒」も過去のこととは限らず、「還沒」などとまだ行われていない動作を表す際にも多用されます。
「沒」と「不」の違いにも注意が必要です。
 我沒吃早餐 …朝ごはんを食べていません(これから食べるかもしれません)
 我不吃早餐 …朝ごはんを食べません

疑問:
「嗎」を使った疑問文の他に、反復疑問文で「沒有」を文末に付けた表現も用いられます。
その場合、「A-沒-A」形式を使うこともでき、
 動詞 + 了 + 目的語 + 沒有?
 動詞 + 沒 + 動詞 +目的語?
の二通りがあります。
 你看了這個電影沒有?
 你看沒看這個電影?

使い方:
「了」は否定文では現れません。
我沒吃晚飯。
*我沒吃了晚飯。

また動作が完了したことを明示するために具体的な出来事と合わせて「了」を使うことが好まれます。
 我買了車票 …切符を買ったけれども何枚買ったのかが曖昧
 我買了三張車票 …切符を三枚買ったことが具体的に明示されている
形の上では目的語に量詞や連体修飾語をつけたり、固有名詞を使ったり、より具体的な出来事として描写することが好まれます。

3.「不」による否定と「沒」による否定

機能:
「不」「沒」ともに否定を表すマーカーですが、使い方は異なります。
否定の構文は動詞タイプと否定マーカーの組み合わせ見ると理解が進みます。
 行為動詞:不, 沒
 状態動詞(形容詞): 不
 過程動詞:沒

A.行為動詞の否定
1.「不」による否定には二つの解釈があります。
1)習慣の否定
 a.我們星期六不上課。
 b.學生常不吃早餐。
2)意図の否定
 a.我不去圖書館。
2.「沒」による否定は過去にその出来事が起こっていないことを表します。
 1)昨天我沒打電話給他。
 2)上個星期我沒跟同學去KTV。
 3)今天我沒坐捷運來上課。我坐公車。

B.状態動詞(形容詞)の否定
状態動詞(形容詞)は「不」によってのみ否定され、逆の意味を表します。
 1)今天不熱, 我想出去逛逛。
 2)他說中文不難學, 可是中國字不好寫。
 3)我不舒服, 今天不想出去。

C.過程動詞の否定
過程動詞は「沒」によってのみ否定され、その過程が起こっていないことを表します。
 1)中文課還沒結束, 所以我不能回國。
 2)我沒忘。你先去學校, 我等一下去找你。
 3)我還沒決定要不要去旅行。

使い方:
台湾では「沒有」を使う場合が多く、「沒」による否定はあまり一般的ではありません。
例えば中国では「我沒買手機。」と言うのが一般的ですが、 台湾では「我沒有買手機。」と言います。

4.全てを含む疑問詞の用法

機能:
疑問詞は中国語の宣言文に現れることがあります。
その場合、疑問詞は全てを表す「都」と共に使われ、例外なく全てという意味を表します。
つまり、肯定文の場合は全てを包含し、否定文の場合は全てを除外する意味になります、
誰:
 肯定文:誰でも
 否定文:誰も~ない
 疑問文:誰?
哪裡:
 肯定文:どこでも
 否定文:どこにも~ない
 疑問文:どこで?どこに?
什麼:
 肯定文:全て
 否定文:全て~ない
 疑問文:何が?
什麼時候:
 肯定文:いつでも、いつも
 否定文:決して~ない
 疑問文:何時?
怎麼 + V:
 肯定文:何れにしろ
 否定文:何れにしろ~ない、決して~ない
 疑問文:どのように?

構造:
否定:
否定文では疑問詞は「都」または「也」とともに使われ、全てを除外することを表します。
否定を表すマーカー「不」や「沒」は「都」「也」の後ろに置かれます。
疑問:
このパターンでは「嗎」によってのみ疑問文にされます。

5.計画よりもより多い、より少ないを表す「多/少 + Verb…」

機能:
動詞の前に置かれる「多」「少」は計画よりも多い、少ないを表します。

使い方:
少しを表す「一點」は目的語を修飾するのによく使われます。
このパターンは過去、未来の出来事どちらにも使うことができます。

6.事実の確認をする「是不是」

機能:
このパターンはすでに知られている、または文脈から明らかな情報の確認に使われます。

構造:
「主語+ 是不是 + 過程動詞 + ?」

使い方:
1.「是不是」は「嗎」による疑問文や「A-not-A」疑問文とは完全に異なっています。
この疑問文は新しい情報を求めているのではなく、古い情報の確認を求めます。
 1)你銀行有錢嗎?
 2)你銀行有沒有錢?
 3)你銀行是不是有錢?
2.以下の文では「A-not-A」疑問文は使うことができず、「是不是」または「嗎」疑問文のみ使われます。
 1)你比他高:
  *你比不比他高?
  *你比他高不高?
  你是不是比他高?
 2)你最近太忙了:
  *你最近太忙不忙?
  你是不是最近太忙了?

7.「跟…一樣」による比較

機能:
このパターンは二人の人または二つの物事の比較に使われ、どこが同じなのか、異なっているのかを表します。
人や事物の比較された同じ(似ている)性質は、もしあれば「一樣」の後ろに置かれます。

構造:
A跟B一樣( + 状態動詞)
A像B一樣( + 状態動詞)
後ろに状態動詞がある場合「AはBと同じように…だ」というように述語を修飾する意味合いになります。
「A像B一樣」は「AはまるでBのようだ」と例える意味合いになります。

否定:
1.否定の「不」は「一樣」の前に置かれ、二つの名詞が異なっていることを表します。
 1)中國茶跟日本茶不一樣。
 2)我跟妹妹不一樣高。

2.否定マーカー「不」は「跟」の手前にも置かれますが、その場合は比較される目的語自体を否定します。
つまり「跟…」の比較対象部分を否定し、比較内容部分を否定するわけではありません。
 他不跟我一樣高, 跟小王一樣高。

疑問:
疑問文では「一樣」と一緒に「不一樣」を用い「A-not-A」パターンが使われます。
または「一樣」の手前に「是不是」を置きます。

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