當代中文課程2 L.03 日本語文法解説
1.「差不多 chàbùduō」の多様な機能
機能:
「差不多」は文字通り「差が多くない、違いが多くない」の意味ですが、状態動詞として、副詞として、様々な機能を持っています。
構造:
「差不多」は会話の多くの部分で機能し、多くの意味を表します。
1.差不多(状態動詞)述語として「ほぼ同じ」「ほぼ同等」の意。
1)我們開始學中文的時間差不多。
2)那幾家超市賣的東西都差不多。
3)我們國家的夏天和這裡差不多。
2.差不多(状態動詞)動詞の補完として「ほとんど終わった」の意。
1)我的功課寫得差不多了。
2)我的旅行計畫得差不多, 你看一看吧。
3)找工作的是準備得差不多了。
3.差不多(副詞)動詞の修飾語として「およそ」「約」の意。
1)從這裡到捷運站, 差不多(走)十分鐘。
2)哥哥和弟弟差不多高。
3)我差不多學了四個月的中文了。
使い方:
中国語では質問の答えとして「差不多」が多用される傾向があり、結局何が答えなのか曖昧になる場合があります。
2.経験を表すアスペクト助詞「過 guò」
機能:
助詞「過」は動作、行為動詞の後ろに付き、その動作、行為に対する主語の経験(~したことがある)を表します。
構造:
経験を表す文には通常は期間や頻度、非特定の過去の時間が含まれます。
否定:
このパターンでは「沒(有)」による否定のみが使われます。
「了」とはことなり「過」はそのまま残ります。
使い方:
1.経験マーカーの「過」は通常は特定の時間(昨天、上午十點半etc)とは組み合わせず、非特定の時間(以前、小時候etc)と組み合せて使います
2.「Verb + 過」 vs. 「Verb + 了」
「過」と「了」はどちらも過去の出来事や活動を指しているため、その違いが微妙になる場合がしばしばあります。
一般的には「過」は経験を意味し繰り返すことができますが、「了」は特定の過去における一度きりの出来事、具体的な出来事を指しています。
a)他去過很多國家。 彼は多くの国に行ったことがあります。
b)他去了很多國家。 彼は多くの国に行きました。
a)他點過日本菜。 彼は日本の料理を注文したことがあります。
b)他點了日本菜。 彼は日本の料理を注文しました。
3.才 cái
単に、ただ
機能:
「才」は数量上の「単に、ただ」を表しますが、同時に一般的な期待に及んでいないことを表します。
使い方:
1.数量の文脈では、「才」「只」どちらも「ただ」という意味で、
他才學了三個月的西班牙文
他只學了三個月的西班牙文
は「彼は三カ月スペイン語を学んだだけです」という意味で量的には同じことを表しています。
しかし「只」は事実のみを表しているのに対し、「才」は「たったの、少ない」といったニュアンスを含みます。
2.「才」は直接数量表現を後ろに置くことができますが、「只」ではできません。
這本書才五十塊錢
*這本書只五十塊錢
4.想起來 xiǎng qǐlái
思い出した
機能:
このパターンは動詞「想」から成り、その後ろに助詞「起(來)」が置かれる形になっており「何か(忘れていたこと)を思い出した」という意味を表します。
使い方:
このパターンの「起來」は第一課で学んだ「起來」とは異なります。
日本語の「思い出す」という漢字に引きずられ「想出來」と間違わないよう注意しましょう。
「想出來」は「(新しく)思いつく、考え出す」という意味です。
5.期待よりも「遅い・長い」を表す「才 cái」
機能:
「才」は文中で言及されている出来事が予想よりも長い時間かかることを表します。
構造:
「才」を使った文章では時間表現はほぼ常に用いられます。
「才」自体を否定することはできず、代わりに「不是」による否定が使われます。
使い方:
「就」はある出来事が期待よりも早く終わったことを表し、反対に「才」はある出来事が予想よりも長くかかったことを表します。
6.二音節動詞の重複による「~してみる、試してみる」
機能:
1冊目の教科書のレッスン6でもありましたが、
単音節、二音節にかかわらず動詞が重複して用いられると、その動詞が持つ行為の意味は薄められます。
このパターンは一般的に命令文で発生します。
構造:
二音節の行為動詞ABの重複は、ABABとなります。
使い方:
重複表現では既にその動詞が持つ行為の意味は薄められているので、「一下」や「一點」といった少なさを表現する語が一緒に使われることはありません。
*我得練習練習一下。
*你得關心關心她一點。